乙字湯とは?
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いぼ痔や切れ痔に悩んでいる方、漢方の「乙字湯」をご存知ですか?
普通に暮らしていると漢方にあまり馴染みはないかもしれませんね。漢方はドラッグストアでも売られており簡単に入手できるくらい身近にあります。病院から処方されていた内服薬も実は漢方だった!、なんて事もあるかもしれません。
乙字湯は「当帰(トウキ)、 柴胡(サイコ)、 黄芩(オウゴン)、 甘草(カンゾウ)、 升麻(ショウマ)、 大黄(ダイオウ)」という生薬を配合された漢方になります。
乙字湯を作ったのは江戸時代の日本人です。そもそも、漢方自体が日本独自のものです。始まりは中国ですが、日本に渡ってきてから日本独自の文化として発展してきました。漢方という言葉も日本の言葉になります。
主な効能として血行促進、抗炎症、痔・脱腸の改善、便通改善、鎮痛の働きがあります。
なぜ乙字湯が痔に良いとされるのか
痔といえば昔から有名な軟膏のボラギノールがあります。軟膏は瞬間的に痔の腫れや痛みの緩和に有効ですが、表面的な治療で終わってしまい根本的な改善ができません。
※ボラギーノールには乙字湯とは別の生薬が配合された内服薬も販売されています。
軟膏タイプのものは、排便直後や辛く炎症した際のケアとして使うことで抗炎症・鎮痛・抗菌の効果を発揮します。
乙字湯は血行を良くし、便通を良くするので身体の内部から痔を改善させることが可能です。
便が柔らかくなると排便時の力みが楽になり、肛門への負担が緩和されます。乙字湯は便秘の解消目的に飲んでも有効です。
配合されている生薬の効果
生薬 | 効果 |
---|---|
当帰(トウキ) | 補血 |
柴胡(サイコ) | 抗炎症、鎮痛 |
黄芩(オウゴン) | 抗炎症、鎮痛 |
甘草(カンゾウ) | 抗炎症、鎮痛 |
升麻(ショウマ) | 痔核、脱肛を鎮める |
大黄(ダイオウ) | 便通、抗炎症、鎮痛 |
時間をかけて痔が改善される
乙字湯を飲んだからと言って即効で痔が治ることはありません。私の経験ですと少なくとも3ヶ月は飲み続けないと痔が縮小されません。
飲み続けると3日ほどでお通じが良くなり、2週間も飲んでいると痔の腫れ具合がかなり軽度になってきます。特に排便後のお尻を休ませる時間が劇的に短縮されます。
もし便秘で困っている方なら乙字湯の効果を早い段階で感じることができるでしょう。快便にも関わらず痔でお困りの方は長期的に乙字湯を摂取することで緩やかに改善されます。
デメリット
金額が高い
内容量によりますが一般的に1箱1〜2週間分で売られており、1ヶ月にかかるお金は約5,000円〜8,000円ほどかかります。乙字湯は長期的に飲む必要があるのでお財布に優しくないんです。
乙字湯は長期的に飲むことが前提ですので、いかに月のコストを安く済ませるかが乙字湯選びで重要になってきます。
乙字湯は様々なメーカーが販売していますが、効能はすべて一緒です。乙字湯エキスの量と金額を見比べて選ぶ必要があります。
その他
- 塗り薬と違い痛み・痒みに対する即効性は期待できません。
- 普段から便が下痢気味の方は更にゆるくなる可能性があります。
- 他の薬や漢方と同様に妊娠や授乳中の方は飲めません。他に飲んでいる薬がある場合も同様に飲めません。
- 体力の低い方は推奨されていません。
- 副作用としては「発疹、発赤、かゆみ、食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢」などの症状が出る場合があります。
- 漢方独特の飲みにくさがあります。